詩篇131篇 私は深入りしません

詩131:1「主よ。私の心は誇らず、私の目は高ぶりません。及びもつかない大きなことや、奇しいことに、私は深入りしません」
「私は深入りしません」は、新共同訳では「追い求めません」と訳されています。アメリカの経済紙フォーブスによれば2017年度の長者番付トップ8の資産は、世界人口の半数にあたる36億人分の金額と同じであるという報告を発表しています。世界を牛耳れるほどの金を持つことも、ダビデにとっては何の関心もなかったと思われます。彼の最大の関心事は主との関係です。新約の時代に入り、パウロは「金銭を愛する生活をしてはいけません。いま持っているもので満足しなさい(ヘブ13:5)」と戒めています。そのあとに主が言われたこととして「わたしは決してあ なたを離れず、また、あなたを捨てない(ヘブ13:5)」と書かれています。これはもともとは神がベテルでヤコブに言われたものです。それが、ダビデにも覚えられ、どんなに評価されても、栄光は主に帰す(29:1)ことが彼の最大の喜びだったのだろうと思います。ダビデは自分は幼子のように心を静め主の前でいると告白しています(2)。たった3節しかない、この詩の中にダビデが何を優先させるかが書かれています。最後はイスラエルにいつまでも主を待つように言い、この詩を締めくくっています。