詩篇136篇 その恵みはとこしえまで

詩136:1「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」
「その恵みはとこしえまで」を語尾に置き、繰り返す手法がとられた詩です。新共同訳と口語訳では「恵み」は「慈しみ」となっています。また、英語訳KJV「mercy」NIV「fithful love」とそれぞれ訳者が訳すのに苦労しているのがわかります。日本語の「慈しむ」は国語辞典では「目下の者や弱い者に愛情を注ぐ」と書かれており、「慈しむ」そのものの意味に対等な関係ではないことが含まれています。この詩は感謝から始まり、神のなされた大いなる業の大きい順に歌われています。その中で出エジプトの際の最後の災いである「初子を打たれる(出11:5)」は、月や星を造られた次に大きな業だと考えられているようです。また、葦の海(紅海)を2つに割ったことも、天地創造に続き、イスラエルの民には忘れらない大きな業だと認識されています。ソドムとゴモラを破壊したことや(創19:28)、バベルの塔を壊したことよりも(創11:9)、イスラエルをエジプトから救い出したことが何にもまさって 主の恵みであったようです。それゆえに過ぎ越しの祭りの際には、子どもたちにその由来を代々に渡って説明するように命じられています(出12:22-27)。この詩もまた主の恵みがずっと続くことを歌っているのです。