詩篇134篇 あなたがたの手を上げ

詩134:2「聖所に向かってあなたがたの手を上げ、主をほめたたえよ」
聖書にはもっと手を上げて賛美する言葉があるように思いましたが、意外に少なく、この詩は手を上げて主をほめたたえる歌として有名です。手を上げることは神に対して向き合っていることを意味し、モーセはアマレク人との戦いのときに手を上げればイスラエルが優勢になることを経験しています(出17:11)。また、新約では祈る時にも手を上げることが書かれ(1テモ2:8)、主の前で手を上げることは賛美にも祈りにも行われる行為だとわかります。手の上げ方には規定がなく、どんな上げ方でも自由ですが、聖書の物語を描いた絵には両手を広げて高く上げる表現が多いようです。この詩では「夜ごとに主に仕える者たち(1)」という表現があります。祭司たちは燭台にともした灯を夕から朝になるまで絶やしてはならない…とされ(出27:21)、いつも誰かが夜通しで起きてともし火の番をしていたのです。夜仕える者たちにも語り掛けるこの詩は、端的にかつストレートに主をほめたたえることを望んでいます。都上りが捕囚後エルサレムユダヤ人たちが帰ってくる時を指しているのなら、この詩はこれから神殿を再建し、聖所が復活したならそこで「夜ごと」に仕える者に語りかけた歌ではないでしょうか。