詩篇138篇 あなたは私を生かしてくださいます

詩138:7「私が苦しみの中を歩いても、あなたは私を生かしてくださいます。私の敵の怒りに向かって御手を伸ばし、あなたの右の手が私を救ってくださいます」
ダビデが王になってから、ずっと王座でふんぞり返っていたわけではありません。サムエルから油注がれても(1サム16:13)、サウル王に命を狙われ、心が休まる時はなかったでしょう。王だから何でも命令でき思い通りにできると考えるのは、歴史上の常です。しかし、ダビデの主を求める信仰は王になっても変わりませんでした。確かにバテ・シェバとのことはダビデの人生の汚点となったかもしれません(2サム11章)。それでもなぜか主はダビデとバテ・シェバとの間に生まれたソロモンを次の王として選んだのです(2サム12:24)。 苦しみの中を歩んでいても主が生かしてくださる…というのは、ダビデならではの詩です。同時にこの詩を読む後世の人たちへの励ましとなっているのも確かです。神に祈っていればずっと平和でいられるわけでもないでしょう。むしろ苦しみを通らなければ理解できない聖書の個所は数えきれないほどあります。ダビデが主の前で苦しみ、もがき、必死で主からの答えをもらおうとしている様子は神を信じるすべての人が共感する部分だと思います。だからこそ「私は心を尽くしてあなたに感謝します(1)」と言えるのです。