詩篇140篇 燃えている炭火が

詩140:10「燃えている炭火が彼らの上にふりかかりますように。彼らが火の中に、また、深い淵に落とされ、彼らが立ち上がれないようにしてください」
「燃えている炭火」という表現は、聖書に何度か登場します。有名なものはパウロが復讐を自分の力でするのでなく、神のさばきにまかせなさい(ロマ12:19)と説明する中にこの言葉があります。この言葉はパウロ箴言から引用したもので(箴25:22)、オリジナルはソロモンの知恵にあります。ダビデが言うように燃える炭火が悪者の上にふりかかるためには、知恵が必要です。その知恵とは、「あなたを憎む者が飢えているなら、パンを食べさせ、渇いているなら、水を飲ませよ(箴25:21)」というものです。自分と敵対する者に愛を示すことは難しいことです。聖書の言うように、たとえ敵に水を与え、パンを与えたとしても、相手の態度が変わる保証はありません。しかし、聖書はその結果を保証するのではなく、「さばく」という心の領域は、神のものであると言っているのです。ダビデも敵から悪口雑言を言われ(3)、ひどく傷つけられたと思われます。その行為に対し、自分で報いようとはせず、神にその結論をゆだねています(8)。敵を愛することで、相手が神の存在を悟ってくれれば、よい証しとなるでしょう。