2サムエル記12章 いつまでもあなたの家から離れない

2サム12:10「今や剣は、いつまでもあなたの家から離れない。あなたがわたしをさげすみ、ヘテ人ウリヤの妻を取り、自分の妻にしたからである」
この言葉通りにダビデの一生は近隣諸国、特にペリシテ人との戦いに明け暮れました。ウリヤの事件はアモン人との戦いの中で起きました(11:1)。既に戦いが決していると思ったダビデは戦場にも行っていません(11:2)。戦いに慣れたダビデが、上から投石される恐れのある門や高台の下に兵士を配置することはあり得ません。それはイスラエルが士師の時代アビメレクが城壁の上からひき臼を落とされ死んだことを教訓としていたからです(士9:53)。そんな常識的な戦略もヨアブが知らなかったのなら、彼の恥となってしまいます。それでヨアブはダビデにウリヤが死んだことだけを伝言したのです(11:21)。別の言い方をするなら、そうでもしなければウリヤは死ななかっただと思われます。ダビデは剣を使って直接ウリヤを殺すことはありませんでしたが、それに匹敵する罪を犯してしまいます。預言者ナタンの「剣は、いつまでもあなたの家から離れない(10)」という預言は、列王記のすべての王に降りかかるものとなりました。「アダムにあってすべての人が死ぬようになった(1コリ15:22)」とパウロが言うように、主に選ばれた者の罪の重さは格別なものです。