2サムエル記13章 いつまでもアムノンの死を嘆き悲しんで

2サム13:37「アブシャロムは、ゲシュルの王アミフデの子タルマイのところに逃げた。ダビデは、いつまでもアムノンの死を嘆き悲しんでいた」
ゲシェルはガリラヤ湖近辺の土地で、エルサレムからは100キロほど離れた場所です。これは想像ですが、アブシャロムはアムノンを殺した後にゲシェルに逃げ込めるように、タルマイ王と話をつけていたのだと思います。そのぐらい用意周到に練られた計算をするアブシャロムは相当に頭の切れる男だったのでしょう。当初の計画ではダビデの目の前でアムノンを殺す予定でした(24)。しかし、ダビデはアブシャロムのところに行くことに消極的でした(25)。ここでアブシャロムの描いた計画の一部は崩れたわけですが、かろうじてアムノンを呼び出すことには成功します(27)。ここで不思議なことはダビデは長男アムノンを非常に惜しむ様子が書かれています(39)。この後、ダビデはアブシャロムに追われる展開になりますが、いざアブシャロムが死んだとなると彼の死をひどく悼むのです(18:33)。ダビデは子どもを愛することは出来ても、教育し訓戒することはできない父親だったのだと思います。それはこの後のユダ国のほとんどの王に共通するもので、代表的なのは、ヒゼキヤはマナセを主の道に導けなかった例があります(2王21:11)。