2サムエル記22章 私の逃げ場

2サム22:3「わが身を避けるわが岩なる神。わが盾、わが救いの角、わがやぐら。私を暴虐から救う私の救い主、私の逃げ場」
2サムエル21章では、メフィボシェテを含むサウルの子たち7人が死に、完全にサウル家がいなくなる記事が書かれています(21:8)。かろうじてこの7人にはメフィボシェテの子ミカ(9:12)の名がなかったので、滅亡とはならなかったようです。この22章は詩篇18篇と同じ内容ですが、なぜサウルの子たちが死んだこのタイミングでこの詩を載せたのかは疑問です。詩篇と比べるとほとんど同じですが、3節の「私を暴虐から救う私の救い主、私の逃げ場」という部分は詩篇18篇では欠落しています。「巌」「とりで」「救い主」「岩」「盾」「角」「やぐら」ともうこれ以上たとえようのないぐらい主が自分を守ってくださるたとえを挙げています。しかし、サムエル記では「私の逃げ場」までもが追加されていたのです。確かにサウルから逃げているときのダビデは、抵抗も反撃もできない最悪の状態でした。何よりも主から油そそがれたサウルが追手だったことは歯がゆい限りだったと思います(1サム24:6)。それゆえにダビデは神に頼るほかなかったのです。その様子が岩や盾などの人を防御するものにたとえられ、主に呼び求めるなら主が助けてくださる…という歌になったのだと思います。