エレミヤ21章 剣とききんと疫病によって

エレ21:9「この町にとどまる者は、剣とききんと疫病によって死ぬが、出て、あなたがたを囲んでいるカルデヤ人にくだる者は、生きて、そのいのちは彼の分捕り物となる」
国は戦争時に、敵の攻撃だけを想定していますが、それ以外の要因が重なると厳しい状態に追い込まれます。主はバビロンの侵攻だけでなく、ききんと疫病によっても死ぬと言われています。中世ヨーロッパでは黒死病(ペスト)が長年にわたって流行し、人々を苦しめました。特に百年戦争(AD1337-1453年)の際にはフランス側でもイギリス側でもペストが流行し、戦争どころではない有様でした。第一次世界大戦でもスペイン風邪(インフルエンザ)が大流行し、大砲や銃の弾で死んだ人の数より、インフルエンザで死亡した人の数の方が多かったと記録されています。ダビデの時代に、ダビデが人口を数えるという失敗をしたときに主はイスラエルに疫病を下し、7万人もの人が死んでいます(1歴21:14)。その経験から、イスラエルの民が疫病の怖さを知らないわけではないでしょう。しかし、戦わなければならないときに疫病が城内で蔓延すると、士気も下がり、気持ちも折れてしまいます。おまけに疫病にききんが重なると、相当に厳しいさばきです。それもイスラエルの民に怒った神が、手を緩めずにさばきを行ったからだと思います。