エレミヤ44章 天の女王にいけにえをささげ

エレ44:18「私たちが天の女王にいけにえをささげ、それに注ぎのぶどう酒を注ぐのをやめた時から、私たちは万事に不足し、剣とききんに滅ぼされた」
聖書の中で最も多く登場する女性神の名はアシュタロテです。バアルの妻とされ、バアルは豊作、アシュタロテは多産の神だとされています。イスラエルヨシュア死後すぐに主を裏切り、アシュタロテに仕えています(士2:13)。ダビデの強い信仰により、一時はイスラエルは主のみに仕えるかのように思えましたが、ソロモンが異邦の女を愛し妻にしたことで(1王11:1)、ソロモン自身がアシュタロテを拝むようになります(1王11:5)。それ以降なし崩し的にイスラエルの信仰は衰えていくのです。特に神殿を持たなかったイスラエル国は、金の子牛を拝み続け、代々「ヤロブアムの罪」と呼ばれるようになりました(1王12:28)。さらにエルサレムのあったユダ国でもイザヤやミカという主の預言者を遣わし、主に立ち返るように促しても、民は聞かずアシュタロテを拝み続けたのです。今、エレミヤに向かって天の女王にいけにえを捧げるのをやめてから、すべてが悪くなったと文句を言っています(18)。エレミヤは「あなたがたの誓願を必ず実行せよ(25)」と言い、注ぎの酒を注ぐなら注げ、と最後通告を言い渡します。