1列王記20章 王は不きげんになり

1王20:43「イスラエルの王は不きげんになり、激しく怒って、自分の家に戻って行き、サマリヤに着いた」
アハブは好き勝手に判断し、もし悪いことが起きると不機嫌になる子どものような性格が見て取れます。それに対して妻のイゼベルは狡猾で残忍でした。エリヤがバアルの預言者を打ち負かしたとき(18:19-40)、これを聞いたイゼベルはエリヤを殺すと脅しています(19:2)。エリヤはイゼベルの言葉に怯え、死にたいとまで考えるようになります(19:4)。アハブとイゼベルは最強のタッグを組み、イスラエルとユダを滅茶苦茶にしてしまいます。イゼベルは息子たち(アハズヤ、ヨラム)の時代にも影響を及ぼし(2王8-9章)、娘アタルヤはユダ国のヨラム王と結婚し、ユダ王アハズヤを産んでいます(2王11:1)。イゼベルはシドン人(16:31)、すなわちフェニキア人でフェニキアの血が巧妙にユダ族に送り込まれているのです。アタルヤに至っては、息子アハズヤが亡くなると自分が王になり、イスラエルとユダの歴史の中初めての女王になります(2王11:3)。この図々しさと狡猾さは、さすがイゼベルの娘と言ったところでしょうか?アハブがイゼベルを妻に迎えたことで、イスラエルはおろか、ユダ国にも偶像礼拝が蔓延してしまいます。