エゼキエル6章 剣とききんと疫病とによって

エゼ6:11「神である主はこう仰せられる。「あなたは、手をたたき、足を踏み鳴らして、剣とききんと疫病とによって倒れるイスラエルの家の忌みきらうべきすべての悪に対して、『ああ』と叫べ」
「剣とききんと疫病」がイスラエルの民を襲うことを告げたのはエゼキエルだけではありません。エレミヤはことあるごとに「剣とききんと疫病」という言葉を使い、ユダの国民に忠告しました。それは8回にも及びます(エレ14:12、21:9、27:13、29:17、32:36、38:2、42:22、44:12)。実際にはユダ国はバビロンに包囲され、籠城し、1年半には食料が尽き、ききんになったことが書かれていますが(2王25:3)、疫病に関しては触れられていません。ききんは食料だけでなく水や燃料も無いことを指しています。エゼキエルの人糞でパンを焼くパフォーマンスも(4:12)、あながち大げさなものでなく、現実に彼らが行った可能性があります。そうすると衛生面でも、かなり劣悪な環境だったと想像できます。中世ヨーロッパでペストが大流行したとき、最もダメージが大きかったのはフランスだと言われています。当時のフランスには下水や汚水処理、さらにトイレを使う風習もなく、あっという間にペストは広がりました。ユダの国も同様に城内が不潔になり、疫病が広まったのではないでしょうか?その様子を目の当たりにして「ああ」というしかなかったのです。