エゼキエル8章 壁に穴をあけて通り抜けよ

エゼ8:8「この方は私に仰せられた。「人の子よ。さあ、壁に穴をあけて通り抜けよ。」私が壁に穴をあけて通り抜けると、一つの入口があった」
1節に「第六年」とあり、エゼキエルの最初にエホヤキンが捕囚に遭って5年目だとあるので(1:2)、ゼデキヤ王になって6年目の出来事です。エゼキエルは霊によって持ち上げられ、神殿まで連れていかれます(3)。この「穴」は庭に入る入口とは別に出入りするためのものだったと思われます。その場所は神殿内に秘密に作られた「暗い所(12)」で、人目に付かないように内緒である儀式が行われていました(11-12)。ゼデキヤはバビロン王によって据えられた傀儡(かいらい)王で(2王24:17)、いわゆるバビロンの操り人形です。バビロンの影響をまともに受けるようになったユダ国は、わずか6年のうちにバビロンの神を拝む習慣が広まっていました(14)。しかも、バアルやアシュタロテというお馴染みの神の像も残したままです。これでは神が怒っても仕方ないと言わんばかりの乱れっぷりです。エゼキエルの見せられたのは、長老や書記といった重要な判断をしなければならない人たちの堕落ぶりだったのです(11)。「ぶどうのつるを鼻にさして(17)」は、異教の風習か、イスラエルの格言と思われますが、これを見て神が憤っているのは、相当に主の嫌がることだと思います。