2列王記6章 エリシャの首が彼の上についていれば

2王6:30「彼は言った。「きょう、シャファテの子エリシャの首が彼の上についていれば、神がこの私を幾重にも罰せられますように」」
エリシャ一人を捕まえるのに馬と戦車と大軍を投入したアラムは(14)、おそらく主要隊を遣わしたのだろうと思われます。神の導きによって盲目にされ、サマリヤのど真ん中に現れたアラム軍を見て、ヨラムは千載一遇のチャンスと思ったに違いありません(21)。「私が打ちましょうか」と歓喜の声をあげています。しかし、何度もイスラエルの危機を救った(10)エリシャの敵に飲み食いさせるようにとの進言を聞いたとき、目の前の主要部隊をたたくチャンスだけに、ヨラムも苦渋の決断だったと思います。この解放劇が、いざベン・ハダデにより包囲作戦が実行され、城内がききんが起きると、これはあの時敵をもてなして帰したことが裏目に出たと考えるのも仕方のないことです。つまりうまくいくときはエリシャを「わが父」と呼びますが(21)、うまくいかなければエリシャの首をはねようとするのです。この後、主によってアラムは逃走し(7章)、一晩にして危機的状況から解放されます。これもエリシャの預言した通りでした(7:1)。ヨラムはわずか12年の間に、多くの主の奇跡を見た王と言えます。