テトス1章 昔からのうそつき

テトス1:12「彼らと同国人であるひとりの預言者がこう言いました。「クレテ人は昔からのうそつき、悪いけだもの、なまけ者の食いしんぼう」」
パウロはコリントの手紙の中で、マケドニアでテトスに再会できたことの喜びを書いています(2コリ7:7)。文面からはテトスを非常に信頼している様子がうかがえます。ここでは「同じ信仰による真実のわが子(4)」という書き方で、パウロの弟子の中でも特別な存在だったことがわかります。このパウロから全面信頼を得ているテトスが送られたのがクレテ島でした。ここでのテトスの使命は、町ごとに長老を任命せよ…というものです(5)。しかし、クレテ島に古くから伝わる住民の習性はテトスを悩ませていたようです。特に割礼派と呼ばれる人たちは「反抗的な者、空論に走る者、人を惑わす者(10)」が多くいて、パウロは彼らの口を封じるべきだと書いています(11)。同じ教会の中でも分派や違った教えが蔓延するなら、教会は立ち行かなくなってしまいます。クレテ島の人たちは、口では神を知っていると言いながら、行ないは否定していました(16)。それは、クレテ島を知る人なら誰でも知っており、昔から「嘘つき」「けだもの」「怠け者」「食いしん坊」と揶揄されてきたのです(12)。このような性格の人たちを「愛」ある人に変えることができるのは神だけです。