テトス2章 軽んじられてはいけません

テトス2:15「あなたは、これらのことを十分な権威をもって話し、勧め、また、責めなさい。だれにも軽んじられてはいけません」
この章では「慎み深く(2,5,6,12)」が4回使われています。それぞれギリシャ語「sōphrōn(ソフロ)」「sōphroneō(ソフラネオ)(6)」「sōphronōs(ソフラノス)(12)」で、英語では共通して「self-control」が使われています。威厳を保ちながら、慎み深くするのは難しいような気もしますが、パウロがこのように書いたのは、おそらくテトスがまだ若かったからではないでしょうか。ここでは「老人(2)」「年をとった婦人たち(3)」「若い婦人たち(4)」「若い人々(6)」のような、年齢に関する記述が多く見られます。それは、パウロがテトスが若いゆえに軽んじられることを心配していたからだと思います(15)。若いとどうしても、語る言葉に重みが感じられません。それでも、テトスの信仰があればクレテ島の人々を牧会できるとパウロは確信していたのでしょう。テトスが正しい態度と権威をもって話せれば、次第に人々もテトスに注目するようになると思います。しかも、「慎み深く」なければならないのです。何度も書かれたこの「self-control」の意味は、決して高ぶることがないようにと戒めたパウロの親心のような気もします。