モアブの叫び

イザヤ15:5「わたしの心はモアブのために叫ぶ。その逃げ延びる者はツォアルまで、エグラテ・シェリシヤまでのがれる。ああ、彼らはルヒテの坂を泣きながら上り、ホロナイムの道で、破滅の叫びをあげる」
モアブといえばロトです。ロトがソドムの町から最初に逃れた場所がツォアルです(創19:22)。ここはモアブ人の拠点となり、ホロナイムは「2つのホロン」の意味で、上ホロンと下ホロンの2つの町を指しています。北からアッシリアが攻めてくる様子を地名を使って表現しています。モアブはロトの子孫ですが、ルツの出身部族であり、ダビデの祖先として数えられ、決してないがしろにされた存在ではありませんでした。主が叫びをあげる種族にあわれまれるのは、どの民族でも神にさえ従っていれば、こうはならなかったのにという訴えのように思えます。主は罪を犯すものを裁きたいと思っているわけではありません。なんとか和解し、罪の生活から立ち直り、神と共に歩む人生を望んでおられます。その姿が、イザヤの預言の中からも見て取れるのです。主はアッシリアのニネベの人々でさえ、ヨナを通して救おうとなされたのです。