トマスについて

ヨハネ20:26「八日後に、弟子たちはまた室内におり、トマスも彼らといっしょにいた。戸が閉じられていたが、イエスが来て、彼らの中に立って「平安があなたがたにあるように。」と言われた」
ヨハネはトマスと交流が深かったのか、彼について詳しく書いています。トマスは「デドモ」とも呼ばれていたと2回も紹介しています(24節、11:26)。トマスはアラム語で、デドモはギリシャ語です。共に「双子」「重なるもの」「分離」などという意味があり、おそらくトマスは双子の兄弟の1人だったのではないかと言われています。さらにギリシャ語を話す社会でも活動していたことがわかります。「ユダ」はトマスの名前で、「イスカリオテでないほうのユダ(14:22)」はトマスのことではないかと言われています。ラザロが死んだとき、イエス様は石を投げられる可能性のあるユダヤへラザロのために行こうとします(11:15)。そのときトマスは「私たちも行って、主といっしょに死のうではないか(11:16)」と言いました。確かにユダヤ人たちのねたみは深く、イエス様は殺されるかもしれませんでした。ちょっとやけくそ気味に見える、ある意味ペテロに似た性格のトマスはヨハネ福音書のクライマックスの主人公になるのです。