マルコ福音書

マコ16:8「女たちは、墓を出て、そこから逃げ去った。すっかり震え上がって、気も転倒していたからである。そしてだれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである」
古いマルコの写本はここで話が終わっています。中途半端ですが、御言葉を曲げることはできません。しかし「何も言わなかった」で終わってしまう福音書はどうなのでしょう?現在の聖書の基本的な編纂はAD90年代にユダヤ教のラビたちが監修して行われたものです。歴史的にはヤムニア会議などと呼ばれています。カトリックの聖書では、この時はずされたいくつかの本がいまだに聖書に載せられています(トビト書やマカバイ記など)。新約に関しては325年のニケーヤ公会議に始まり、397年のカルタゴ会議で最終的な正典が決定しました。マルコでは1章1節の「神の子」という言葉も最古の写本とよばれる本にはないことから、いわく付きの福音書になっています。つまり福音書の最初と最後が、時代によって変わっている福音書なのです。復活したイエス様はその後どうなったのか?もし8節で、話が終わっているなら、とても気になる結末ですよね。