ヨナタブとヨアブ

2サム14:19「王は言った。『これは全部、ヨアブの指図によるのであろう』」
アムノンは母がアヒノアムでダビデの長男でした(3:2)。一方、アブシャロムは母はマアカで3男です(3:3)。アムノンの友人ヨナタブは、アムノンに入れ知恵をした張本人でした(3-6)。彼はダビデの甥ですが、王子ではないので、刈り取りの祝宴には招かれていませんでした。しかしヨナタブはアブシャロムの策略を知っていたのです。ダビデに全王子が殺されたと誤報が知らされたとき、直ちに間違いを指摘しています。彼は友人アムノンが殺されることを前もって知りながら何もしなかったのです(13:32)。一方ヨアブは、アブシャロム側で策略を練ります。彼が遣わしたテコアの女は、非常に賢く言葉に隙がありません。ダビデは、これほどの戦略を考えるのはヨアブしかいない、と確信させるほど、テコアの女はたくみに話したのです。ヨアブは戦略を練るだけでなく、人選の眼も確かなものでした。思いつきのヨナタブの策略と、じっくり練られたヨアブの計画では大きな違いがあります。浅知恵を自覚し、話すときにはよく考えてから言葉にしないと大変な目に遭うという戒めです。