書記バルク

エレ45:1「ネリヤの子バルクが、ヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの第四年に、エレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書いたときに、預言者エレミヤが彼に語ったことばは、こうである」
バルクはエレミヤが親戚から土地を買ったときに証人として現れます(32章)。以後エレミヤが預言を書き留めることが困難なときに、口述書記として活躍します。バルクに関しては聖書は詳しい人物像を描いていませんが、カトリックの聖書では哀歌の後ろに「バルク書」があり、エルサレムについてバルクが励まし、主への賛美、知恵の言葉などが書かれています。伝承ではバルクはエレミヤの専属口述書記だとされ、エレミヤ書のほとんどはバルクによって書かれたとする学者もいます。とにかくバルクがエレミヤ書の成立になんらかの関与があったことは間違いありません。2節の「バルクよ」という語りかけは、単なる書記ではなくエレミヤに深く関わっていたことが伺い知れます。プロテスタントでは外典とされた「バルク書」ですが、バルクがエレミヤから呼びかけられ、エレミヤの人生に深く関わり、その後自分の言葉を残したことは、バルクが主に従い、神の器としてエレミヤと行動をを共にしていたことを証明していると思われます。エレミヤ書に何度も登場するバルクは、捕囚のときもエレミヤと一緒で、エジプトの地でもエレミヤの書記として活躍した、神の人だったのです。