最初から綿密に

ルカ1:5「ユダヤの王ヘロデの時に、アビヤの組の者でザカリヤという祭司がいた。彼の妻はアロンの子孫で、名をエリサベツといった」
なぜイエス様の誕生から書き始めないで、バプテスマのヨハネの誕生から書き始めたのでしょうか?それは、ルカ自身が「すべてのことを初めから綿密に調べておりますから(3)」と書いている通りに、いろいろな書物を調べ、何が一番最初に来るべきかを理解したからだと思います。その中に今は外典となっている「ヤコブ福音書」が含まれています。マリヤがエリザベツのところにいき、3ヶ月一緒に暮らしたことを記しているのは、ヤコブ福音書とルカの福音書だけです。ヤコブ福音書の中には、どうやってマリヤがヨセフと一緒になったのか、あるいはマリヤに天使が現れて受胎告知をする経緯が詳しく書かれています。しかしルカはある部分を削除してテオピロに伝えています。それはルカの目的が、事実を詳しく述べることだけでなく、テオピロという人にキリストが実際に地上に来た福音を知らせることだったからです。良きサマリや人や放蕩息子など、ルカにしかない話はルカが相当な資料を読みあさった結果だと思います。ルカに登場するたとえ話はユニークで大好きな書簡のひとつです。