女預言者アンナ

ルカ2:38「ちょうどこのとき、彼女もそこにいて、神に感謝をささげ、そして、エルサレムの贖いを待ち望んでいるすべての人々に、この幼子のことを語った」
アンナ(ハンナ)はアセル(アシェル)族の出身だと書かれています。南ユダ王国にはユダ族とベニヤミン族の国でしたから、もしアシェル族がいたとするなら、北イスラエルから流れてきたと推測できます。彼女の経緯は、処女時代から結婚生活が7年間、その後夫に先立たれことが書かれています(36)。もし子供がいなかったとすると、夫なし、子供なしのやもめは最も軽蔑される立場にありましたので、アンナが近隣の目を避けるようにユダ王国に逃れてきたことは容易に想像できます。彼女はユダに来て、新しい夫を探すことをしませんでした。身分を隠そうと思えば隠せたはずです。しかし彼女の選んだ生き方は神に仕えることだったのです。「宮を離れず、夜も昼も、断食と祈りをもって神に仕えていた(37)」とあるように、神への信仰を中心とした生活をしていました。祭司たちのいる神殿で、イスラエル国の女が預言者として認められることは、例外中の例外だったと言えます。主は彼女の心に福音を告げました。イエス様を見たとき、シメオンは両親に、アンナは周りにいる人たちに主のご計画を告げたのです。二人の老人は決して心が折れることなく、信じて待っていました。80歳や100歳でも主に期待するっていいですね。