不正の富の謎

ルカ16:9「そこで、わたしはあなたがたに言いますが、不正の富で、自分のために友をつくりなさい。そうしておけば、富がなくなったとき、彼らはあなたがたを、永遠の住まいに迎えるのです」
管理者は抜け目がないことをほめられています(8)。当時、油を借りたときの利息は100%だと何かの資料で読んだことがあります。つまり倍返しです。100パテ借りたのなら200パテ返さなければなりません。この管理者が50にしたのは、返す油が100になったということです。主人としては利息は取り損ねますが、もともとの100パテは帰ってくるのです。つまり主人にも損をさせずに、借りた人にも利息分を免除することによって恩を売ることに成功したわけです。これは不正行為です。今の世の中でこれをやったら、即逮捕されるでしょう。管理者は不正をした100パテの油を自分のものにしたでしょうか?会計報告を出したとき、主人が貸し付けた元本は元通りになっていたはずです。管理者は財産を持ち逃げしたわけではありません。不正ではあっても、富を盗んで自分のものにせず、むしろ貧乏な人たちに有益になる判断をしたのです。不正の富は「世の金」のことだと思います。それを自分のものにせず、友のために使うことこそ「不正の富で友をつくる」という意味ではないでしょうか?