2回目の論議

ルカ22:24「また、彼らの間には、この中でだれが一番偉いだろうかという論議も起こった」
ルカの福音書では、この「誰が一番偉い」論議が2回描かれています(9:34)。おそらく、この論議は2回ではなく、ことあるごとに持ち上がった話題だったろうと思われます。イエス様が魅力的な人格であればあるほど、人々はイエス様に近づきたいと思うはずです。まして弟子たちは寝食をともにし、イエス様の大きな愛に触れているのですから、自分こそ一番弟子で、イエス様に最も近い存在だと認められたいわけです。イエス様はリーダーを決めませんでしたが、ペテロ、ヨハネヤコブの3人には、他の弟子たちよりも多くの場面で一緒に行動しています。やがてこの3人は初代教会の重鎮として活躍しますが、この3人にも「自分こそ偉い」と勘違いした時代があったのです。ルカはあえてこの出来事を2回載せることにより、私たちが陥りやすい罠を示しています。口には出さなくても、誰もが心の中で思うことです。神の国は人の肉の思いで支配されているわけではありません。肉を殺して、御霊を生かす世界が神の国です。そのためにはへりくだりは重要なポイントです。