最初から難しい説明

ヘブ1:14「御使いはみな、仕える霊であって、救いの相続者となる人々に仕えるため遣わされたのではありませんか」
手紙の最初にあるはずの、あいさつや励ましの言葉がまったくありません。いきなり、神の御子イエス様の神格について書き始めています。しかも比べる対象が、御使いです。ヘブル人への手紙は、ギリシャ語で書かれており、真性ユダヤ人への手紙というよりも、旧約をよく熟知し、キリスト教へ改宗した人たちへの手紙の印象が強いです。確かに、旧約では主ご自身なのか、御使いなのかわかりにくい表現があり、旧約の名のある人々は誰に頭を下げているのかわからないときもあります。そういう意味において、旧約を知る人たちに、御子イエス・キリストを神と同格であり、御使いよりも上の存在であることを知らせることは伝道するうえで重要なポイントだったことがわかります。ここの論議を飛ばして、キリストの本質を語っても無意味です。この手紙を読む人たちには、イエス様が何の権威のゆえに、自分たちの身代わりになってくれたのかがわからないからです。イエス様ご自身が神であるにも関わらず、人を愛し、すべての罪を背負って身代わりになったのです。いけにえは理解できても、イエス様の十字架を理解するのは時間がかかったようです。