ピラトも気づいていた

ヨハ19:19「ピラトは罪状書きも書いて、十字架の上に掲げた。それには『ユダヤ人の王ナザレ人イエス』と書いてあった」
「カイザルのほかには、私たちに王はありません(15)」…もともと人気のないヘロデが聞いたらがっかりするような言葉ですが、ピラトはこの言葉を最後にイエス様を十字架につける決心をします。しかし多くの言葉からわかるように、ピラトはかなりの努力をして無実のイエス様を助けようとしています(12)。王と名乗ったなら狂人として、牢屋にでも放り込めばいいでしょう。ユダヤ人たちは「王」の問題ではないと言います。つまり自分を神の子としたから、ユダヤ律法により死罪なのだとピラトに説明しています(7)。結局ピラトがつけた罪状は「ユダヤ人の王」というものでした。多くの人がこれを読んでどう思ったでしょうか?王という罪があるのでしょうか?ピラトも相当嫌気がさしていたようで、ユダヤ人が自分たちの王を殺しているというイメージを罪状に含ませたのです。そんなピラトのささやかな抵抗もむなしく、イエス様は十字架にかかってしまいます。世界で唯一罪を犯したことのない、無傷の子羊はねたみと嫉妬から命を奪われたのです。