ピラトに対する態度

ヨハ18:29「そこで、ピラトは彼らのところに出て来て言った『あなたがたは、この人に対して何を告発するのですか』」
ルカではこれにヘロデ王が加わって、登場人物がさらにややこしくなっています。もう一度おさらいすると、ローマから命を受けて大祭司になったのが、アンナスです。カヤパはローマから大祭司の職を解かれた状態で、アンナスの姑にあたります。ユダヤの正当の大祭司はカヤパなので、どんなにローマから言われても、カヤパは大祭司でいられたわけです。とは言え、大祭司の判断で死刑にすることはできません(31)。ピラトに送ったのは、ローマ統治下の総督なら死刑を与える権限があるからです。しかし、ユダヤ人たちは官邸にイエス様を送り込んだものの、異邦人と触れると汚れるので官邸に入ろうとしませんでした(28)。仕方なく、ピラトはわざわざ官邸から出てユダヤ人に会いにくる始末です。どれだけ自分の都合を優先させるのか…と思いたくなります。それはピラトも同じで、無礼な対応には「自分たちで始末せよ(31)」と突き放しています。自分の前に来もしない、適当な対応…イエス様をただただ邪魔者として、自分たちの都合だけを考える姿勢、ピラトが真剣に取りたくなかったのもうなずけます。結局、イエス様はこんないい加減な者たちの、自分だけの都合で死刑になったのです。