十戒と罰則

出21:23「しかし、殺傷事故があれば、いのちにはいのちを与えなければならない」
十戒はルール設定ではあっても、ルール違反をした場合の罰則は書かれていません。「殺してはならない」の戒めを破った場合は、自分のいのちで購うことが基本です。しかし、おもしろいことに故意の殺人でない場合は罰則が変わってきます。殺人を犯して、死んだ人の親族にかたきを打たれ死んだとしても、その親族は罰せられません。復讐することは認められているのです。もし、殺意、敵意、怨恨などの理由でなく過失による偶発的に相手が死んでしまった場合、その人は逃げることができます。そのために逃れの町が3ヶ所用意されていました(民35章)。そのような過失も起こりうることを主はご存知でした。この章の始まりは奴隷からです。捕らわれて不自由な奴隷の決まりごとが最初に書かれているのです。それは神の目が最も位の高い、裕福な人たちへ真っ先に向けられるのではなく、あわれみをかけるべき人は誰かをご存知だからです。奴隷の立場にいたイスラエル人が自分たちの奴隷を持つことは不思議なことですが、エジプトの経験のおかげで、奴隷を虐待することはないと思います。それもすべて主のご計画があればこそです。