使っていたのはアラム語

マコ5:41「そして、その子どもの手を取って、「タリタ、クミ。」と言われた。(訳して言えば、「少女よ。あなたに言う。起きなさい。」という意味である) 」
今まで言及されていませんでしたが、イエス様はアラム語をしゃべっていたのです。いきなりここでイエス様の言われたとおりのアラム語が出てきて、しかも訳まで解説されているのには理由があると思います。そもそも川をはさんだゲラサ地区に行ったのが5章の始まりでした(1)。そして再び船に乗って、ユダヤ人たちの町に帰ってきたのです(21)。それは会堂管理者という役職の人がいたことや、長血をわずらった女が人目を避けていたことなどから、ユダヤの風習や慣習が随所に見られることからも推測できます。おそらく、この地に戻ってきたときからイエス様はアラム語を使っておられたのだと思います。福音書の筆者マルコは大切な部分は、イエス様の言われた言葉をそのまま残しました。「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタ(15:32)」という十字架上の言葉もそのままの言葉で書かれています。これはマルコが目撃したのではなく、マルコが通訳をしていたペテロの助言がこの福音書に反映されているからだと思います。ユダヤ社会にいたときのイエス様はアラム語でしゃべり、ローマ兵や異邦人としゃべるときにはその地方の言葉でしゃべっていたようです。バベルの時代から分裂した人の言葉も、イエス様ならすべて話せて当たり前なのです。