築き上げるため

2コリ13:10[そういうわけで、離れていてこれらのことを書いているのは、私が行ったとき、主が私に授けてくださった権威を用いて、きびしい処置をとることのないようにするためです。この権威が与えられたのは築き上げるためであって、倒すためではないのです]
この世の治め方は、力を使って治めるやり方です。どこの国でも警察があり、政府の権威がしっかり保たれているなら、その国の治安は安心できるでしょう。しかし、パウロが考える教会の運営は、権威を振りかざしやたらに処罰するやり方とは違っていました。もちろんパウロには権威が与えられ、ルール違反や和を乱す者たちにペナルティを課すことができます。パウロ自身が証言しているように、与えられた権威は「倒す」ためでなく「築く」ためです。権威を使って人を懲らしめ、人格を殺してしまうより、生きて教会の一部として働いてもらった方が得です。権威が与えられたなら、自分の欲求を満たすために使う人がいます。どんな人間でも権威が与えられ、人が自分の思い通りに動くなら高慢になってしまいます。パウロは人間のやり方ではなく、神の知恵を使って権威を人を殺すために使うのでなく、人を生かすために使おうとしています。罪を処罰する権威があるからこそ、あえて処罰を受けないで、反対に罪から離れるように勧めるのです。権威は人を倒すためでなく、築くためです。これは神の知恵の奥義だと思います。