無言の行

ヨシュ6:10「ヨシュアは民に命じて言った『私がときの声をあげよと言って、あなたがたに叫ばせる日まで、あなたがたは叫んではいけない。あなたがたの声を聞かせてはいけない。また口からことばを出してはいけない』 」
文脈から考えると、「叫べ」と命令するまでは言葉を発してはいけない…とも取れます。それが行進のときだけだったのか、日常の生活まで及んだのかはわかりませんが、イスラエルの行進は角笛だけが鳴り響く不気味なものでした。さすがにエリコの人たちも怪しんだことでしょう。「何のおまじないだ?」と不思議がり、ずっと不安な気持ちで見守っていたのです。ただ城壁を回るなら攻撃の姿勢ではないので見るしかありません。しかも、無言です。仮に1週間、言葉を発してはならないと命令されたとします。7日目のときの声は、想像を絶する大声だったのではないでしょうか。イスラエルのやったことは城壁の周りを回り、ときの声をあげただけです。経験したことはありませんが、言葉をしゃべらない生活は緊張感のあるものではないかと思います。ひょっとしたらイスラエルの民の中から、不思議怪しみ、不平や文句を言う者がいたかもしれません。そのぐらい、この作戦は奇妙なものでした。無言で行なうことで、心が一致し7日目にはヨシュアの言葉が確信に変わっていくのです。