アラムの残りの者

イザ17:3「エフライムは要塞を失い、ダマスコは王国を失う。アラムの残りの者は、イスラエル人の栄光のように扱われる。―万軍の主の御告げ。―」
ダマスコはダビデの時代に占領し、支配していました(2サム8:6)。その後、エリヤの時代にハザエルがアラムの王となり、ダマスコは貿易の栄えた国になりました(1王19:15)。アラムは常にイスラエルに隣接する国となり、密接な関係にあった民族です。いわば運命共同体のようにここでは預言がされています。特にエフライム族との関係が強く、イスラエル=エフライムのような書き方がされています。エフライムが要塞を失うことは、イスラエルがある程度軍事的にアラムを守っていたことを指します。その見返りに、ダマスコの貿易の利益がエフライムに流れたのだと思います。しかし、アッシリアの猛攻はすざましく夕暮れに出現したアッシリア軍は夜明けにはいなくなり、一夜にしてアラムが無くなってしまうのです(14)。いかに敵の攻撃がすざましく、多勢であったかが想像できます。ところが、アラムに残りのものがいることも書かれており、決して全滅するわけではないことも記されているのです。それは、「自分の手で造った祭壇に目を向けず、自分の指で造ったもの、アシェラ像や香の台を見もしない(8)」とあるように、主に目を向けたアラムの人たちがいたことを指しています。終わりの時代に残された者に数えられたいものです。