このまま放っておくなら

ヨハ11:48「もしあの人をこのまま放っておくなら、すべての人があの人を信じるようになる。そうなると、ローマ人がやって来て、われわれの土地も国民も奪い取ることになる」
ローマからはピラトが派遣され、ユダヤ地区の統括を任されていました。ピラトの下で、ユダヤ人王が認められ、宗教的には大祭司が認められていました。それらの地位の人はあくまでローマの法の下である程度自由が許され、神殿も破壊されずにユダヤ人の神を拝むことができました。秩序はローマの法に従うという前提で保たれていたのです。ローマの認めた王や大祭司はローマに逆らわず、ローマの決めたことに従うことで自分たちの慣習や律法を守ることができました。もし、この秩序が崩れたら大事です。イエスという新リーダーが現れ、ローマの秩序を破壊することを言い出して、民衆がその言葉に惑わされて従ってしまうなら秩序の維持はできなくなってしまいます。ローマがやってきて、ローマに服従しない属国などあっという間に滅ぼされてしまうでしょう。当時ローマの軍事力は世界最強で、ローマが繁栄した理由はこの軍事力の維持にありました。イエス様の言われたことは、ユダヤ人社会の秩序の維持に反することでした。本来なら、さっさと石打ちにして抹殺したいところですが、イエス様の奇跡と教えに従う人々がすでに大勢いたのです。自分の保身のために真実を捻じ曲げるやからは、今も昔も変わらず存在します。