父の命令

ヨハ12:50「わたしは、父の命令が永遠のいのちであることを知っています。それゆえ、わたしが話していることは、父がわたしに言われたとおりを、そのままに話しているのです」
命令は英語で「command」で、ギリシャ語では「entole(エンタレ)」が使われています。この文章には目的語がなく、誰が誰に命令したのかがあいまいです。「父の命令」が永遠のいのちを与えることなのか、持つことなのか、授けることなのか…どのようにも受け取れます。イエス様が父から命令されたことだとするなら、イエス様は命令の意味を最も理解していたと思われます。それは、19節から始まったギリシャ人たちがピリポとアンデレを訪ねたことから事を発し、神が直接イエス様に命じる様子が描かれていることの結論です。「一粒の麦が地に落ちて死ななければ(24)」と語られたイエス様の言葉の集約が「永遠のいのち」につながっているのだと思います。そして、この結末の言葉の間には、天から父なる神の語りかけが含まれています。「わたしは栄光をすでに現したし、またもう一度栄光を現そう(28)」…これらを聖書にかかれてある順に追うなら、地に落ちて死ぬたとえ→栄光を現せてください→天からの声→声は人のため→わたしを信じる者は遣わした方を信じる→父の命令を伝える…という流れになります。最後の父の命令を伝えるまでのすべての言葉が布石になり、12章を締めくくっているのです。