初代イスラエル王?

士9:18「あなたがたは、きょう、私の父の家にそむいて立ち上がり、その息子たち七十人を、一つの石の上で殺し、女奴隷の子アビメレクをあなたがたの身内の者だからというので、シェケムの者たちの王として立てた」
ギデオンには多くの妻がおり70人の子供がありました(8:30)。唯一のそばめがシュケムにいた女奴隷で、この子供がアビメレクでした(8:31)。アビメレクの母は賢く、一族に対し自分の子供を身内のように思わせました(3)。アビメレクはごろつき、ずうずうしい者たちを集めて兄弟たちを殺害します。そうやって得た王の地位など長続きするはずもなく、わずか3年で謀反に会い、最後は女の投げた臼に頭蓋骨を割られ、あっけない死に方ををします(22)。こうやって見ると、英雄の息子といえども父親に習う優秀な子とは限らず、シュケムのギデオン家の人たちは70人のだらしない息子たちより、破天荒な荒々しいアビメレクのほうが良く見えたのです。この時代には少々手荒で、悪賢い人格であっても主に向かってイスラエルの民を引っ張ることができる者たちがさばきつかさとなって働いていました。それは、かなり強引にしないと、イスラエルの民はすぐに他の神に走ってしまうからです。アビメレクは非公式の初代イスラエル王ですが、王となる資質や人格などはまるでだめでした。何より彼には主からの油注ぎがなかったのです。