ギデオンの落とし穴

士8:27「ギデオンはそれで、一つのエポデを作り、彼の町のオフラにそれを置いた。すると、イスラエルはみな、それを慕って、そこで淫行を行なった。それはギデオンとその一族にとって、落とし穴となった」
わずか4節前には「主があなたがたを治められます(23)」と発言したばかりです。その敬虔な態度と発言に感動しますが、次に出た言葉はいただけません。「あなたがたに一つ、お願いしたい。ひとりひとり、自分の分捕り物の耳輪を私に下さい(24)」…ギデオンは二重人格なのでしょうか?まるで2つの違う人格がしゃべっているみたいです。片や主の前でへりくだり、謙遜する言葉を発し、もう一方では金をよこせと貪欲な言葉を発するのです。1シェケル13グラムだとすると1700シェケルは約20キログラムになります。エポデは祭司がつけるベストのようなもので、ギデオンが私利私欲のために金を使わなかったのには一目置きますが、結局自分の戦果を誇りたかったのだろうかと思ってしまいます。おそらく20kgもあるエポデは誰も袖を通すことなく、ただ飾られただけです。エポデは後にダビデが着て踊ったという記述があるほど(2サム6;14)、神に仕える象徴のものでした。しかし、誰も着る者もおらず、金で作られ、飾りというより偶像のようなエポデは、ギデオンの一家の心には落とし穴となってしまったのです。