系図のラハブとルツ

マタ1:5「サルモンに、ラハブによってボアズが生まれ、ボアズに、ルツによってオベデが生まれ、オベデにエッサイが生まれ」
系図の中の女性の名前は異邦人であり、男系がユダ族であるならその子孫として取り扱われることを指しています。最初に現れたのはタマルです(3)。そして5節には2人の女性の名前があります。ラハブは遊女でヨシュアの派遣した斥候を助けたことで、彼女の一族は命を助けられました(ヨシュ2章)。そしてルツはユダ族の姑ナオミについてきたモアブの女です(ルツ1:4)。彼女の息子オベデからエッサイ、ダビデとつながります。つまりルツはダビデの祖母にあたります。ここで問題なのは時間の経過です。オトニエルから始まった士師の時代が終わるまで約400年が経っています。ラハブはそれ以前の女性ですから、ダビデから3代前のボアズまで推定450年ぐらいの差があります。サルモンという人がかなり年取ってからラハブをめとり、ラハブも相当な高齢出産だったのかも知れません。またルツ記の最初には「さばきつかさの治めていたころ(ルツ1:1)」とあるので、ボアズからダビデまでかなりの時間が経過しているようです。とにかくサルモン、ボアズ、オベデ、エッサイのそれぞれが長生きであり、わずか4世代で450年近くを生きて子孫を残してきました。系図に書かれた僅かな名前からも、不思議な神の計画を見ることができます。