ナオミの信仰

ルツ1:6「そこで、彼女は嫁たちと連れ立って、モアブの野から帰ろうとした。モアブの野でナオミは、主がご自分の民を顧みて彼らにパンを下さったと聞いたからである」
エリメレク一家がモアブに移ったのは飢饉がひどかったからでした(1)。主の導きの中に劣悪な環境というのもあり得ます。それでも試練だと耐える人もいるかもしれませんが、ナオミたちのようにその場を離れ移り住むこともときには主の導きであるかもしれません。ナオミがなぜベツレヘムに帰ろうと思ったかというと、主がご自分の民を顧みられた、と聞いたからです。彼女には主を求めるこころがありました。「わたしはあなたのうわさを耳で聞いていました(ヨブ42:5)」とヨブは主に出会ったとき答えました。世界中どこにいても主がなされた業を耳にしない日はないでしょう。飢饉という誰も生き延びられない環境から逃れていたとき、主がパンを下さったといううわさを聞いたのです。ナオミはモアブの神に仕えることはしませんでした。むしろ、ルツに「あなたの神はわたしの神です(16)」と言わしめたほど、主に仕えていました。嫁たちはナオミの神は飢饉から彼らに助けの手を差し伸べなかったのか…とも、考えることができたでしょう。しかしルツがみたナオミの姿は神を真剣に求める姿であり、それゆえにナオミの中にある神への信仰は本物で、ナオミの仕えている神こそまことの神だと確信を得たのです。