ラハブの子ボアズ

ルツ4:12「また、主がこの若い女を通してあなたに授ける子孫によって、あなたの家が、タマルがユダに産んだペレツの家のようになりますように」
イスラエルの長老たちは、自分たちの家系に異邦人の女がいることを理解していました。ユダが自分の息子の嫁タマルとの間に生まれたペレツから数えて7代目がボアズでした。しかも、ボアズの母はラハブだとマタイの系図にあります(マタ1:5)。年代があまりにも離れているため、ヨシュア記のラハブとは別人だとする説もありますが、もし斥候をかくまったあのラハブだとするなら、ボアズの母もまた異邦人だったのです。ルツを買い取る権利がある最も近い親戚は、異邦人ルツをめとることを嫌がりました(6)。しかもその理由は自分の相続地を失いかねないから…というものでした。彼はルツを見ることもせず、モアブの女だというだけで拒否したのです。ルツは夫と死に別れていましたが、長老たちが言うように「若い女」だったようです。この「若い」のヘブル語は「nahara(ナハラ)」で、若いというより「少女」というニュアンスの強いものです。ボアズは自分の母が異邦人だったから、異邦人のつらさを知っていたのだと思います。もし、買取権利の高い親戚が、エリメレクの土地とルツを手に入れたとしても、ルツにつらく当たったことでしょう。ボアズはルツがダゴンの神を捨てて、イスラエルの神に仕えるためナオミについてきたことを知っていたのでした。