神の箱が見つかって

詩132:7「主よ。立ち上がってください。あなたの安息の場所に、お入りください。あなたと、あなたの御力の箱も」
御力の箱とは主の契約の箱「アーク」のことです。ペリシテ人との戦いの中でイスラエルの長老が神の箱を戦場に運ばせたのがことの発端です(1サム4:3)。結局、戦いに負けペリシテ人が神の箱を所有するようになりました。ペリシテ人としてはあのエジプトで災いを引き起こし、荒野や約束の地で勝利し続けるイスラエルの神の力を手に入れたわけですから、どんな兵器よりも心強かったでしょう。しかし神はペリシテに災いを下し、神の箱はキルヤテ・エアリムに20年もあったと記録されています(1サム7:2)。その後どうなったかは詳しく書かれていませんが、ダビデはヤアルの野で神の箱を見つけたと言っています(6)。そして契約の箱の在り処がわかったときから、ダビデの心は主の都への移送を決意したのです。この詩篇はそのときの心情を歌ったものと思われますが、最後の主の言葉の引用の中に明らかにイエス様の予言が語られています。「一つの角」はダビデの後に出てくる油注がれた者です。そして「彼の上には、彼の冠が光り輝くであろう(18)」と書かれ、主の栄光がその人の上にあることがわかります。ダビデはしばしば賛美の途中に神の霊を受け神の言葉を語ることがありました(詩22など)。それはダビデが主と深い交わりの中にあったことを物語っているのです。