ほら穴の中で

詩142:7「私のたましいを、牢獄から連れ出し、私があなたの御名に感謝するようにしてください。正しい者たちが私の回りに集まることでしょう。あなたが私に良くしてくださるからです」
ダビデが洞穴にいたことが書かれているのは2箇所あります。ひとつはガテの王から精神異常を装い逃げてきたときに隠れたアドラムの洞穴で(1サム22:1)、もうひとつは隠れているときにサウルが用をたしに入ってきたエン・ゲディの洞穴です(1サム24:1)。この詩の内容からおそらくアドラムの洞窟で歌った詩だと考えられます。それは「正しい者たちがわたしの周りに集まることでしょう」と言った後に、困窮している者、負債のある者、不満のある者たち400人が集められたからです(1サム22:2)。集められた人が正しい者たちかどうかはわかりませんが、ダビデはたましいを牢獄から出して、主の御名に感謝できるように祈っています。ダビデは信仰によって集まった者たちを受け入れました。それは御名を感謝できたからです。ダビデには「わたしに良くしてくださる」という自分の告白に確信があったのです。それゆえ、社会的には虐げられたような人々でも受け入れ彼らの長となることができました。マスキールという言葉は「悟る」という意味が含まれているそうです。主はわたしに良くしてくださる…という悟りこそダビデの根幹にある信仰なのではないでしょうか?