御顔をかくさないで

詩143:7「主よ。早く私に答えてください。私の霊は滅びてしまいます。どうか、御顔を私に隠さないでください。私が穴に下る者と等しくならないため」
ダビデがサウルに追われていたときは寝る場所も定まらず不安定な生活でした。ダビデが無実であり、サウルがダビデを殺そうとしていることは間違っていることは聖書を読む私たちには容易にわかることですが、当のダビデはそういうわけにはいきません。どんなに無実を主張しても、相手が感情的になり偏見と誤解のかたまりのようになってしまうならどうしようもありません。なによりもサウルの息子ヨナタンが命がけで父サウルの狂気を知らせてくれたのです。その友情のためにも簡単にサウルに捕まるわけにはいきません。ダビデの人生の中で最も平安がなく、先の見えない時期だったと思います。主に早くこの問題を解決してもらいたい。いったいいつまでこんなことが続くのか?ダビデの霊は弱り果て、あたかも主に目を背けられているかのように感じています。そんなダビデの悲痛な叫びが詩篇に含まれていることは、いま困難な状況にある人たちには朗報になるでしょう。どんな祈りよりも「主よ、助けてください」という一言のほうが勝ると思います。早くしてください…御顔を隠さないでください…主がいじわるなお方ではないことをダビデは知っているはずです。それでも人生にはただ主を呼び求めることしかできないときがあるのです。