放り出さないで

詩141:8「私の主、神よ。まことに、私の目はあなたに向いています。私はあなたに身を避けます。私を放り出さないでください」
主がダビデを避けているわけでもないでしょう。また、主が人を無視する理由もありません。それでもダビデは「わたしの声を聞いてください(1)」「わたしを放り出さないでください」と祈るのです。あたかも自分は忘れ去られているのではないか…という錯覚に陥っているかのようです。ダビデほど主を愛し、主を賛美した者はいません。それゆえ主は「その日わたしはダビデの倒れている仮庵を起こす(アモ9:11)」と言われたのです。それは簡易的な幕屋で本格的な神殿ではありませんでした。しかし、その中で行なわれていた礼拝と賛美は主の心に響いたのだと思います。それほど主を愛し、賛美を捧げたダビデが信仰に迷っているのです。呼ばわっているのに応えてくれない…まるで自分は放り出されたようだ…時々主は沈黙することがあります。そういう場合は、よく吟味し、祈りが御心かどうかを探る時間が必要なときです。心に思いついたことを、やたらに祈っても主としては迷惑です。人の失敗は言葉によるものがほとんどです。心にあるものをすぐに口にするなら、その人は周りから煙たがれるでしょう。ダビデはそのことも理解し「私の口に見張りを置き、私のくちびるの戸を守ってください(3)」と祈っています。ダビデに学びましょう。