四千人の刺客

使21:38「『するとあなたは、以前暴動を起こして、四千人の刺客を荒野に引き連れて逃げた、あのエジプト人ではないのか』と言った」
パウロはキリストを伝える使徒でしたが、ユダヤ人の中には、メシアはまだ来ていないと思っている人が多く、パウロの伝えるキリストは偽物だと決めつけていました。ここでパウロを殺せば、偽宗教が広まることを食い止めることができます。千人隊長が出動するときは臨戦状態の場合で、千人隊長クラスが暴動の鎮圧に出ることはあまりありません。この暴動は、戦争でもおきるのか、というほど膨れ上がったのだと思います。そして、千人隊長が出動するようになった理由を彼自身が語っています。「以前に、4000人の刺客を連れて逃げたエジプト人の首領ではないのか?」…これが千人隊長が出動した大きな理由でした。歴史書ユダヤ戦記」によると、ローマに味方するユダヤ人を暗殺する集団がいて、ローマ軍との戦いにやぶれ荒野に逃亡した事実が書かれています。「刺客」は英語NIVでは「テロリスト」と訳され、原文ギリシャ語では「sikarios(セカリアス)」となっており、懐に短剣を隠し持つ暗殺者のことを指しています。とんだ勘違いですが、おそらく事が大きくなる過程で、パウロの本来の行動は忘れ去られ、根も葉もないうわさだけが広まっていったのではないでしょうか?しかし、神のみ業はこんな大きな騒動の中でも働き、パウロは証しするチャンスを得るのです。