大声で叫ぶフェスト

使26:24「パウロがこのように弁明していると、フェストが大声で、「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている」と言った」
なぜフェストは大声でこんなことを叫ばなければならなかったのでしょうか?パウロは「預言者たちやモーセが、後に起こるはずだと語ったこと以外は何も話しませんでした(22)」と語り、その内容が預言にあるメシアのことであり、苦しみの後、死者の中から復活したのはイエス様であることを示そうとしたのです。フェストの頭には、十字架にかかって死んだイエスという男がうわさでは生き返って、ユダヤ人の中にいるという噂を思い起こしたのではないでしょうか?その噂の中心人物が、まさかユダヤから古く伝わるメシア預言の具現化などとにわかには信じるわけにはいきません。パウロローマ市民であること、決してユダヤ律法には疎くないこと、そして何よりも気が狂っていないことはわかりきっていたことです。しかし、あのイエスユダヤ預言にあるメシアを同一視しようとするのは、パウロが狂っているとしか見えなかったのでしょう。メシアに対する知識がありすぎるゆえに、イエスがメシアであると錯覚しているのだ…と、言いたかったのだと思います。フェストが大声で叫んだのは、彼が少なからずともイエス様の復活の噂を知っていたからだと推測できます。