分派への対処

テトス3:11「分派を起こす者は、一、二度戒めてから、除名しなさい」
パウロはコリントの手紙の中で「ほんとうの信者が明らかにされるため」に分派が起こるのはやむを得ないことだと説明しています(1コリ11:19)。クレタ島の人々の素行や言動が目に余るだけではなく、教会の中で違うグループを作り牧師や教師、長老などの意見に従わないのであれば、問題はこじれるばかりです。それどころか教会が分裂する危機に陥ってしまうでしょう。イエス様も兄弟が罪を犯した場合に、まず二人だけで戒め、それがだめなら3人以上の場で話し合い、それでもだめなら教会に訴えなさい(マタ18:16-18)と言われています。この箇所の教会は「ekklesia(エクレシア)」で、聖書に出てくる順番としては2番目です。最初はペテロに「あなたは岩の上に教会を建てる」と言われた有名な箇所です(マタ16:18)。つまり教会という言葉が2度目に使われたときから、教会内で起きる問題が語られているのです。パウロがこう書いたのは、憶測や推量ではなかったと思います。当然、クレタの教会で起こるであろう問題について的確に処理できるようにテトスにアドバイスを送ったのはないでしょうか?「分派」という言葉はガラテヤへの手紙にも肉の思いと聖霊の実を比較するときに出てきます(ガラ5:20)。まだまだ肉の思いに支配されがちなクレタの人々へのアドバイスは、現代の肉の思いを持つクリスチャンへのものと同じだと思います。