アドニヤの要求

1サム2:17「彼は言った。『どうかソロモン王に頼んでください。あなたからなら断わらないでしょうから。シュネム人の女アビシャグを私に与えて私の妻にしてください』」
列王記の最初はダビデが年老いて、家来たちがダビデにそばめを与えることからスタートしています。シュネムはイッサカル族が受け継いだ土地で、ヨシュア時代に割り当てられたことが聖書に書かれています(ヨシュ19:18)。アドニヤはアブシャロムの弟で、美男子だったとあります(1:6)。アブシャロム同様に自分が美しいと高みの地位を欲しがるのでしょうか?サタンもまた美の極みだったと書かれています(エゼ28:12)。アドニヤはすでにダビデが死に、ソロモンが王の座に着いたにもかかわらず、まだ王の座を諦めていませんでした。前王が死んだなら、そばめも受け継ぐというのがイスラエルの慣例だったようで、アドニヤは間接的に王を継ぐ権利を要求したのです。バテ・シェバは民間人あがりだったので、そのような王族の詳しい慣習など知らなかったのだと思います。そこに目をつけたのがアドニヤで、ソロモンのマザーコンプレックスの部分から徐々に攻め落とそうと企てました。バテ・シェバはこれは「小さいお願い(20)」だと理解しており、まさか王権を譲るような大きな判断だとは思っていませんでした。しかし、アドニヤはソロモンも王の子としてアドニヤと同様の教育を受けていたことを読み間違えてしまったのです。アドニヤの高慢さが自分を滅ぼす要因になったのは皮肉な話です。