べテルの老預言者

1王13:18「彼はその人に言った。「私もあなたと同じく預言者です。御使いが主の命令を受けて、私に『その人をあなたの家に連れ帰り、パンを食べさせ、水を飲ませよ』と言って命じました。」こうしてその人をだました」
さて、この老預言者は何がしたかったでしょうか?「だました」のヘブル語は「kachash(カハーッシュ)」で、「だます」「嘘を言う」という意味です。「御使いが主の命令を受けて」というのは、間接的な表現です。預言者ならば「主は言っておられる」などの直接的な言い方をすべきで、「御使いが」と言う段階で何か怪しい雰囲気です。現に食事を終えたときに、老預言者に直接主の言葉が下っています(20)。その様子からすると、老預言者は決して偽預言者というわけではなく、ちゃんと主の言葉を伝える力のある預言者だったようです。しかし、なぜ老預言者は彼の死を悲しみ、自分が死んだらライオンに殺された預言者と同じ墓に葬ってくれと頼んだのでしょうか?老預言者がユダからの預言者が「パンも水も食べられない」と主から命令を受けているのは承知の上だったはずです。自分が罪に陥れておいて、ユダの預言者が亡くなると悲しむ様子は何か納得できません。1つの仮説としては、ベテルでヤロブアムはエホバなる主を無視して他の神の祭壇を築きました。主に仕える祭司や預言者はかやの外です。本来なら、ベテルにいる預言者に神の言葉があってしかるべきです。老預言者はひょっとしたら嫉妬からこのような事件を起こしたのかも知れません。あくまでも推測ですが…。