アサとマアカ

1王15:2「エルサレムで三年間、王であった。彼の母の名はマアカといい、アブシャロムの娘であった」10「彼はエルサレムで四十一年間、王であった。彼の母の名はマアカといい、アブシャロムの娘であった」
アビヤムとアサの母が同一人物です。歴代誌にはアビヤムの名前は「アビヤ」となり、彼の母も「ミカヤ」でギブアの出のウリエルの娘だとされています(2歴13:2)。もし列王記の記述を正しいとするなら、アビヤとアサは兄弟か、あるいはアサは近親相姦の上生まれた不遇の子だったということになります。アビヤは悪王で(3)、アサは善王(11)でした。アサは母マアカよりも、主に従うことを優先させました。おそらく、アサは母マアカが嫌いで反抗し、母が信仰するアシェラを憎んでいたのでしょう。また、マアカがアシェラ像を造ったために王母の位から彼女を退けた(13)ともあります。新改訳ではヘブル語「gebiyrah(ゲビイラ)」という単語を「王母」と訳しています。聖書では6回この言葉が使われ、すべて王の意見を左右する存在として語られています。共同訳、口語訳では「太后」とされ、前王が死んでもその立場を奪われず、大きな権限を持つという意味になります。マアカが息子アビヤムと関係を持ったとしたら、大きな過ちであり、主を恐れぬ行為です。アサが主に従順に生きようとした背景は母マアカへの嫌悪感からきていたのではないでしょうか?